Utokyo faculty development東京大学

お知らせ

2020.11.18

【東大FFP第16期】なべたん日記・DAY_1〜4を終えて(1)

「書こう書こうと思うだけでは筆は進まず、気づけば半分終わってしまった、いかん!」の巻

長らくご無沙汰しておりました。FFP担当・研究支援員の なべたん です。

FFP自体はDAY1〜8の8回シリーズです。今週の木曜日と金曜日にDAY5を迎えます。先週で前半終了、いよいよ後半に入る段階なのですが、この日記、なんとDAY0(つまり開始以前)で止まったままになっておりました。大変失礼をいたしました(汗)

では、ここから順番に大急ぎでご紹介を…と最初は思ったのですが、ここまできてしまったのであれば(と開き直ることとし…)、DAY1〜4を(自らの仕事をしつつ…)受講生のみなさんと一緒に受講させていただく中で、気づいたこと(といっても、実際には栗田先生が授業内でほぼ言及されていらっしゃいますが…)をお伝えすることにしましょう。

ちなみにDAY1〜4は、FFP受講者のみなさんが、必要な考え方や知識・スキルを身につける(どう身につけるか、そこも実はとても興味深い!)期間、次回のDAY5は、ここまでの学びの振り返りと、DAY6・7で実施する模擬授業(とブラッシュアップ)へのスタートとなります。

さて、話を戻して、DAY1〜4を通して気づいたことは3点。
(1)授業には毎回共通した、明確な「型」がある。
(2)授業者から学習者(受講者)への支援の度合いが徐々に低くなっていく。
(3)授業で学ぶ内容(コンテンツ)が、ワークなどの実体験として、随所に設定されている。

DAY2を終えた時点で、DAY1の記事をさくっと書きにくかったのは、特に(3)の展開が気になり、1回ごとに内容の紹介をして進めていくことに、ひっかかりを感じてしまった、ということがあります(相当な言い訳になっちゃってますが、一応、本心です・汗)

ということで、まずは(1)の「型」について、紹介を始めましょう。

授業の「型」のまず大枠は、「導入・展開・まとめ」という構成になっていること。初中等教育でも、例えば、授業案などで授業の構成を書くとほぼこの「型」になりますので、特段、目新しいことではないのですが、その中身をもう少し丁寧に見ていきます。

<導入における「目的」と「到達目標」>

ここで毎回必ず示されるのが、この授業の「目的」と「到達目標」です。

これも、初中等教育では、授業(または単元)の最初に「めあて」という言い回しで示されたりもしますので、「この授業で目指すことを最初に伝えましょう」という話は、ごくごく普通のものではあります。

しかし、DAY2・クラスデザイン、そしてDAY3・評価でさまざまなワークを行い、知見を得ていくと、「到達目標」の設定・言語化は、相当意識して言葉を紡がないといけないものだということに気づかされます。ただ、その「到達目標」は「目的を具体化したもの」ですので、その前に、「目的」とは何か、ということを確かめておきましょう。

「目的」についての話の中で、私自身がなるほど!と納得したのは、「授業の目的は、この授業の”存在意義”を示すもので、”なぜこれを学ばなければならないのか?という問いに対する答え”にもなりうるもの」という栗田先生の表現でした。

小中高の先生も、よく児童・生徒のみなさんから訊かれますよね、この問い(笑) ま、目的自体は、この問いに答えるためだけのものではないですが、自分自身が納得できる目的を、相手に伝わる言葉で表現できるようになっていれば、彼らの問いにも(堂々と)答えることはできますね。(ただし、わかってもらえるかどうかは、その次の問題ではありますが・汗)

ちなみに、学習の主体は学習者ですので、この文章表現の主語は「学習者」になります。

さて、その「目的」を具体化した「到達目標」について、栗田先生は「学生にできるようになってほしい事柄であるとともに、そのまま評価項目になりうるもの」と示されました。

前半部分については、単に授業者の理念や想いではなく、目の前の学習者をとらえ、「現実的かつ,チャレンジングなレベル設定」が求められることが鍵になりますね。その中で出てきた「ジャンプすれば届くところ」という表現が、元バレーボール経験者としては、実にじわっと沁み入りました。

後半部分については、目的と同様に学びの主体である「学習者が主語」であることは当然のこととして、「観察可能な行動(動詞)として記述」することで、この目標自体が実は「成績評価の観点」にもなる、ということを強く示しています。

「目標と評価の一体化」という言葉は、初中等教育の研究会などでよく耳にしてきました。このようなスローガンが掲げられているということは、実際には「目標と評価の一体化ができていない」ということでもあり、私も含めて、そこに苦しんだ教員は少なくないと思います。

ではなぜ一体化ができないのか。それは、「到達目標」が「観察可能な行動であり、成績評価項目となる表現」になっていないことに起因していたのではないでしょうか。

この観点に立って、過去のいろいろな授業実践や研修等での検討資料に掲載されている、実際の授業の「到達目標」を読ませていただくと、自らへの過去の反省も込めていうならば、このような表現になっているものが、あまり少ないことに気づかされました。

では、DAY1〜4の各授業の導入で示された授業の「目的」と「到達目標」は、具体的にどのようなものだったのか。授業スライド(配布資料)から転載させていただきます。

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DAY1 Introduction
【目的】オンライン授業に慣れ、その可能性を理解するとともに東大 FFP受講の意義および目的を知り,ともに学ぶ仲間を知ることにより,受講の意図を明確に持つ。
【到達目標】・オンライン授業の方法を体験し慣れる ・学ぶ仲間の名前を5人以上覚える ・高等教育の現状について説明できる ・東大FFPで学ぶ価値を見出し他者に説明できる

DAY クラスデザイン
【目的】学生の学習を促すクラスの特徴・構成を理解し,実際にクラスデザインができる。
【到達目標】・モチベーションを高める工夫を説明できる ・クラスデザインの意義を説明できる ・ADDIEモデルについて説明できる ・目標に応じたアクティブラーニングを選ベる ・学習に効果的なクラスをデザインできる 

DAY 評価
【目的】学生の学びを評価するための基礎知識を得て,評価の意義・特徴を理解し,学習に活用できるようになる
【到達目標】・評価の意義を説明できる ・形成的評価と総括的評価を対比できる ・ある評価方法について評価の性質という観点から説明できる ・ルーブリックを作成できる ・ルーブリックのメリット・デメリットについて考えを言える 

DAY シラバス
【目的】学生の学習をより促進するシラバスの役割とコースデザインを理解し,その設計方法について学ぶ
【到達目標】・シラバスの役割を3つ以上あげることができる ・コースの目的・目標を適切に設定できる ・グラフィックシラバスの作成ができる ・持参したシラバスについて,理由を明確にして改善できる

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どうでしょうか。この「到達目標」の向こう側には、当然ながら「評価」活動が明らかに存在しているなと匂いますが、今回はここまで。

次回は、先に示させていただいた(1)の「型」で、もうひとつ着目している”まとめ”について、そのあと(2)・(3)へと話を進めたいと思います。

最後にご紹介ですが、このFFPのDAY1〜4で、具体的にどのようなことが行われるのかについて、FFP15期の授業スライド等の資料が、次のサイトで公開されています。
https://ocw.u-tokyo.ac.jp/course_11441/
授業の様子についても、(著作権や肖像権などの取り扱いの処理を終えてから)順次アップロードされる予定と伺っています(DAY1は既に視聴できます♪)。

この「なべたん日記」は、FFPの全てを紹介するようなものではないので、FFPの紹介となる情報ソースも随時ご紹介していきたいと思います。ご興味のある方は、ぜひご覧になってください。

ではまた。

大学総合教育研究センター
FFP担当 研究支援員 鍋田修身
(NPO法人SOMA コーディネーター)

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